PAGE [01]
出会い-幼稚園から小学校へ-その1
藤原 「幼稚園の記憶って、いっぱいあるよな」
直井 「あるある。いっぱいある。俺ね、はっきり覚えてんのがやっぱ藤原の記憶だね。年中さんになった時にー」
「年中だっけ?」
増川 「年少が最初やん?」
藤原 「年少、ヒヨコ組。年中がクリ組」
直井 「だからクリ組になった時に、そっからはっきりした記憶があって」
藤原 「お前ヒヨコ組からいなかったっけ?」
直井 「だからいたんだけどー」
藤原 「いたべ」
直井 「でもはっきりした記憶はクリ組なの」
増川 「俺もヒヨコはいた」
藤原 「俺、全っ然ヒヨコ組ん時覚えてるよ。増川の声が高すぎたこととか(笑)」
直井 「クリ組の時にね、藤くんがね、なんかもう年上だったの。大人。なんつーの、幼稚園時代の1ヶ月ってすごいデカイじゃん。すっごい差があるの。誕生日、こいつが4月で俺が10月だから。6ヶ月ってすごいデカくて。超リーダーだった。仕切ってた。仕切りまくってた」
藤原 「俺、仕切ってたか?」
直井 「仕切ってたよ。もうひとり背が高い奴がいて、そいつとふたりが、なんていうか…怖かったなっていうのが第一印象。あの、ブロックで遊んでた時にさ、先生は『それをバラバラにして箱にしまいなさい』って言ったんだよ。でも藤原は、なんか作った造形物をそのままボンってダンボール箱に入れたの。で、俺が『あ、藤くんいけないんだー』って言ったら、『こん中で崩すんですぅ〜』って、こいつ(笑)。で、先生も何も言えないの。だってひとつひとつ持ってかなくていいじゃん」
増川 「あったまいい〜」
藤原 「頭いいなあ」
直井 「それが、いっちばん初めの、藤原の記憶かな」
藤原 「なんかね、俺、何かと先生から『基央くんはお兄ちゃんなんだからみんなの面倒みなきゃダメよ』とか言われた。同級生なのに。俺よく意味がわかんなかったんだけど。それでなんかみんな『誰々にいじめられた』とか俺に言いつけてくんの。知らねーよ、っていうさ、ねえ? で、俺の地域の幼稚園バスは結構遅い時間に幼稚園に着くから、チャマとか家が近い奴らはもう来てて。先に着いた奴は、みんなが集まるまでブロックとか三輪車とかで遊んだりしてんだけど、俺着くと、チャマがダーッと駆けてきて『集めといたよブロック』って言うの。で、ピアノ開けると赤い布が敷いてあるじゃん。あれにブロック包んであって、サッて渡してくんの(笑)。菓子折りみたいな感じでサッて出して、パッて開くとブロックがあって。『これでブロック作ろうぜ』ってブロック作んの。ブロックって人気あるから奪い合いだったんだけど、いつもチャマが集めてくれてて(笑)、ブロックでいつも遊んでたよな」

< prev / next >