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バンプ・オブ・チキン〜バンド活動〜
直井 「その頃さ、俺とヒデちゃん中心でDMを出しはじめたりしてたんだよね」
藤原 「すごかったよね、DMの完成度。チャマがちゃんとデザインして書いて。まあスペルとか間違ってたんだけど(笑)」
「全部コピーした後で日付が違うのに気づいたり(笑)。次のライヴの情報とかさ、MCで藤原が言うようにしてたんだけど、忘れるじゃん。言ってる暇があったら曲やったほうがいいし」
藤原 「『来てください』とか言わなかったよね、俺ら(笑)。来たけりゃ来ればみてーな(笑)」
直井 「すげーこと言ってたよね。『お前らそこで突っ立ってるけど、俺らは楽しいよ?』(笑)」
藤原 「『お前らの100倍人生楽しんでるよ』とか(笑)」
直井 「『ついて来る来ないはお前らの勝手だけど、ついて来たほうが得だと思うよ?』」
藤原 「『損得で言えばお前ら損だよね』みたいな(笑)。なんかさ、東京ってこっちを値踏みするようなお客さんが多かったから。まあそういうお客さんがいるからバンドが育つって状況もあるんだろうけどね。……やっぱ腕組んで観てたりするわけじゃん。それで『なんだその態度は』っていう説教で30分潰れたりとか(笑)」
直井 「その間俺らは疲れちゃってるから座ってたりすんの(笑)。そうやってって、ワンマンやっても客が埋まるようになったの。で、1回のライヴでひとり3万とか儲かるようになって」
「スタジオ代とかDM代とかのためのバンド費を差っぴいて分けても、3万とか渡るようになったんだよね」
藤原 「最初に貰ったギャラで食った吉野家の牛丼の味が未だに、みたいな(笑)。でもビックリした。これステージで歌った金でしょ、みたいな。升が金の管理とかしてて。あとDMの住所とかも全部升が管理してたよね。俺、DMの作業は全然やってなかったの。でも1回、あまりに増えて封筒に入れてくのが大変だから手伝ってくんねえ?って言われて、手伝いに行ったことがあるんだけど、すんげー量でビックリした。1個1個ちゃんと封筒に住所が印刷してあって。そういうのも全部升がパソコン勉強してやっててさ。そん中に折りたたんだチャマの----まあ間違いとかあったりするんだけど(笑)、ちゃんとデザインされたものが入ってて。すげーことやってたんだって思った」
直井 「最終的には何通いったけ?千はいったよね。……なんか役割っていうのがなんとなくあったんだよね。藤原は藤原でやることやってたし。だから今と一緒で、バンプ・オブ・チキンの歯車としてやってた。……でもね、すべて楽しかったよ。やりたくてやってた」
「だからDMも、送ったらその分ちゃんとお客さんが来てくれたし」
直井 「それが嬉しかったよね」
「それがなかったら全然続かなかったよ」
直井 「その頃、3曲入りのテープ作ったよね」
藤原 「作った作った。その制作会社が、なんの契約もしてないのに懇意でやってくれたの」
直井 「で、DMが千通超えたくらいの時に、制作会社のひとから、そろそろこんだけ規模がデカくなってきたから、ちゃんとマネージメントとかつけてそこから発信したほうがいいんじゃないか、っていう話も出てきたりして」

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