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『FLAME VEIN』〜『歌』〜
直井 「よく“くだらない唄”で、お客さんがタンポポ出したら……」
藤原 「なんかタンポポ出す奴がいたんだよね」
直井 「止めて『てめえそんなことしてんじゃねえ!』って。キャーっていう声とか、あと写真を撮る奴とかもいたんだけど、ふざけんなって言って。あと手拍子が始まったら止めた」
藤原 「『学芸会じゃねえんだよ!』つって」
直井 「いちいちブチ切れてた。でなんか、『チャマ頑張れ』って言われて、『お前なんだよ』『音楽頑張れってなんだよ!』って」
藤原 「すっげー言ってたね(笑)。あと、『お前カッコいいとか結婚してとか言ってっけど、どうせ俺ら禿げたら終わりだべ!』とか(笑)」
「ほんとに静かになっちゃってね(笑)」
藤原 「ほんとに『禿げたら終わりだな』って思うんだろうな、お客さんも(笑)」
直井 「でもさ、ステージ降りると俺、そんなことなんも言えないよ?怖い人いたら目を合わせず1本路地に入るみたいな笑、そういう感じの子よ?でもステージに立つと違う。漠然となんだけど、ライヴでしか『本当』でいられる場所はないって思ってた。コンビニでバイトしてる時はサービスする顔。友達と遊んでても、その友達と一緒にいる顔。今は全然考え方違うんだけど、当時はそういうふうに、いくつも自分がいて。で、本当の自分っていうのはステージに立ってる自分だけだって感じだったな。だから何でも言えた。だって最強なんだもん」
藤原 「客席から『ちょっと酷くない?』って言われたこともあるよな」
直井 「『酷いよ藤くん』って言われてたよね(笑)。『ああっ!?』つって、『じゃあこの曲やるよ!』って曲やったりしてた(笑)」
藤原 「もう曲で伝えるしかねえって(笑)。で、そいつを指差して、『わかったか!?』っつったら『まあまあわかった』とか言われて(笑)。んで帰ってえらいヘコんだりしてた(笑)」
直井 「なんか勘違いかもしれないけど『下北沢』にちゃんと『歌』を確立したのは俺らだべって(笑)、 俺はそう思ってんだよね。本当の『歌』を伝えたのは俺らだべって、なんかそういう意識はあった。『ロック』をやっている人は腐るほどいたし、下北は昔から音楽の街だと思うんだけど、『歌』の街ではなかったと思う。ロック・カルチャーの街。カルチャーがダメとかそういう話じゃなくて、そっちはそっちでめちゃくちゃ素晴らしいと思うんだけど。でも俺らが『歌』の街にした。『FLAME VEIN』を出して。だから下北沢を歩く時だけはすっげー腕を大振りだった。俺の街だと思ってた。」
藤原 「でも俺は、ちょっと怒りがあった。たいてい『ギターロックバンドの雄』って書かれたじゃん。 それに怒りを覚えた。『なんだよギターロックって』って。たまたま和音を表現したのがギターだっただけでそれがギターじゃなかったとしてもこの曲は同じだけの輝きを持ってはずだって思ったし。俺はギターロックていう言葉が凄い嫌いだった。」
直井 「俺ら4人で音楽をやって、『歌』をちゃんと伝えてメッセージがちゃんと自分達の中にあってってもの以外あんま興味なかった。めちゃくちゃシューゲイザー好きだし、その時はテクノとかバリバリ聴いてたんだけど俺たちがやる音楽に対してはそれ以外何の興味もなかった。で、藤原、すごい怒ってたよね」

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